名古屋大学
RBRC00823
Car, Mus caroli
吉木 淳
Nagoya Univ.
2002年,沖縄産オキナワハツカネズミ野生個体を用いて系統育成が開始された。
オキナワハツカネズミ (Mus caroli) 。沖縄本島産野生捕獲野生マウス由来。2002年12月に沖縄県那覇市にて捕獲した野生マウス (♀2,雄3) より育成された沖縄本島産野生由M.caroli系統。本種は一般的な実験マウスや野生由来近交系マウス (M. musculus) とは別種であり,系統発生学的にも離れた位置を占めていることから,遺伝的な隔たりを利用した遺伝学的研究や種間交雑を用いた生殖研究などにへの利用が期待できる。また、M. caroliは地域集団間で比較的高い種内変異があることが報告されており,種内で遺伝的な多様性が富んでいることが予想される。M. caroliの系統で沖縄島を由来とするものは無く,遺伝的資源としても有用であると考えられる。
クローズドコロニーによる維持。交配ケージの半分程度しか繁殖しないため,繁殖コロニーは多めに確保する。連産性はよいが,近親交配をすすめると繁殖が悪くなるため,維持は近親交配をなるべく避け,ランダム交配を行う。ランダム交配。生後1.5〜2ヵ月齢程度の個体を交配に供用する。交配後,3ヵ月を経ても(5ヵ月齢程度)繁殖しないペアーはその後の見込みは薄い。性成熟が一般的な実験マウスと比較するとやや遅い(初産は3ヵ月齢程度)。1対1での交配を行う。2対1での交配は行わない。 動物の健康管理に心がけ,育成環境の統一を図るために,ケージ収容匹数を一定に保つ。野生由来マウスなため,動きが俊敏であり,取り扱いに注意し,逃亡等を防ぐこと。ケンカをするペアーがよく出るため注意する。ケンカにより雌が傷つけられている場合,雌の繁殖はあまり見込めない。その場合の雄は別の交配にも使用しない方がよい。巣箱・巣材を使用する。
Atsushi YOSHIKI
Car